THE VOICE|映画監督・ギャレス・エドワーズ / 脚本・デヴィッド・コープ

SPECIAL INTERVIEW

映画にかける思い

映画業界に関わる著名人の方々に、様々な角度やテーマで映画にまつわるお話をまとめました。

ギャレス・エドワーズ映画監督

デヴィッド・コープ脚本

シリーズ新章が公開され、監督が初めて経験したこととは

ジュラシック・ワールド/復活の大地

──不朽の名作「ジュラシック」シリーズの新たな章の幕開けとなる『ジュラシック・ワールド/復活の大地』ですが、その仕上がりや大きな反響にについて、どのように受け止めていますか?

ギャレス・エドワーズ監督:
自分の映画が良いか悪いかは、自分では判断できないので、実際に観てくれた人たちの反応があれば分かるものですよね。僕の彼女の両親がアイオワ州にいるのですが、そこで映画を観に行ってくれて。火曜日の14時の回なのに満席だったそうで、映画が終わった時にみんなの拍手が起こったそうなんです。あんな現象は経験したことがないって言っていましたが、実は同じようなことが起こったとニュージーランドの友だちからも聞いていたんです。それまで拍手が起こったようなことを聞いたことがなかったから、僕にとって一番うれしいことでした。

ジュラシック・ワールド/復活の大地

デヴィッド・コープ:
僕は『ジュラシック・パーク』(93)と『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(97)の2本の脚本をやっているから多少の不安もあって、みなさんを失望させたくないと思っていました。なにしろ一作目があれだけ多くの人たちに愛されているということもあって、一作目に対する人々の想いと自分自身の想いが悪いものになることは嫌でした。なので、あれだけ大切にしていた想いが、何かが原因で疎外されてしまってはいけないという不安はありましたが、幸いそんなことはなく、自分自身が誇りに思える作品に仕上がりました。

ヒットメイカーたちが思う映画の仕事の面白さとは

ジュラシック・ワールド/復活の大地

──おふたりはこれまで数多くヒット作などを生み出されて来ましたが、映画の仕事の面白さとは何でしょうか?

エドワーズ監督:
映画作りは、最初は楽しい、最後も楽しいけれど、真ん中は大変というイメージです(笑)。最初の物語を生み出す部分は好きで、そして最後に完成したものをみなさんに見せるところも好きです。でも、そこまでの作る過程は戦いであり、大変なものなんです。ハリウッド映画監督と聞くと傲慢で自信過剰というイメージがあるかもしれませんが(笑)、映画を撮っている最中は「そこは間違っているのでは?」といつも周囲に言われるんです。チクチク刺されているような感じなんですね。これはどことなく出産に似ていて、大変な思いをして産むけれども、産んだ後は子どもが愛おしくなり、また作りたくなるという、映画を撮るということは、僕にとってはそういうプロセスなんです。

ジュラシック・ワールド/復活の大地

デヴィッド・コープ:
僕は物語を作り出すことが大好きなんです。自分ひとりでオフィスにこもり、時間を過ごして書いていく作業も好きです。どうやろう、どうしようかと考える作業が好きで、上手く行かない時は昼寝をしてまた起きて。そうすることで何か答えが見つかったかもしれないと思ったり、そういう感じが好きなんですね。脚本を書いている時は何でも可能であると思いながら書いているけれど、中盤になるとすべてが無理だ、不可能だと思うようになり、そうなるとぐちゃぐちゃになってしまうこともあるけれども(笑)、でも次の編集の段階に入っていくと毎日最悪だと思っていたことが、だんだんとよくなっていくものなんです。

『ジュラシック・ワールド/復活の大地』は、大人も子どもも同じ体験を楽しめる映画に

ジュラシック・ワールド/復活の大地

――イオンシネマへ映画を楽しみ来るみなさんにメッセージをお願いします。

デヴィッド・コープ:
世のお父さんたちには吉報です(笑)。『ジュラシック・ワールド/復活の大地』はお子さんだけでなく、自分自身も楽しめる映画になっています。子どもを連れて観る映画の中には大人が寝落ちしてしまう作品もあるかもしれませんが(笑)、この映画は子どもたちを連れていくために自分が我慢するものではなく、家族全員がみんなが楽しめる映画なんです。わたしには4人子どもがいるのですが、自分自身父親として、家族全員が楽しめる映画の存在は、本当にありがたいと思うんです。純粋に家族みなさんで楽しめる映画になっていると思います。

ジュラシック・ワールド/復活の大地

エドワーズ監督:
僕は子どもの頃に『ジュラシック・パーク』(93)を観て、もちろん怖い経験もしたけれど、自分が大人になったような気もしました。ワクワクするような映画でファミリー映画と言っても、かなり怖い映画という印象でした。その一方で大人が観ると子ども心を刺激され、子ども時代に戻れるので、つまり大人は子どもになり、子どもは大人になるので、みんなが同じくらいの年齢になり、同じ体験をするんですね。それにサバイバルものなので、家族を守るとか、わたしたちの人間としての遺伝子に原始的に組み込まれているようなことも描かれています。そして怖い体験をする冒険に出ていくので、とても親密になれる。お互いに感謝できるし、きずなが深くなる。そういう映画だと思っています。

PROFILEプロフィール

ギャレス・エドワーズ(映画監督)

ギャレス・
エドワーズ
映画監督

ギャレス・エドワーズ映画監督

BIOGRAPHY

1975年生まれ、イギリス出身。VFXアーティストとして数々の作品に参加した後、2010年の長編初監督作品『モンスターズ/地球外生命体』が成功を収め、知名度を獲得。以後、『GODZILLA ゴジラ』(14)の監督などを経て、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16)や『ザ・クリエイター/創造者』(23)など、次々と手掛ける。本作で初めて「ジュラシック」シリーズのメガホンを取った。

PROFILEプロフィール

デヴィッド・コープ(脚本)

デヴィッド・
コープ
脚本

デヴィッド・コープ脚本

BIOGRAPHY

1963年生まれ、アメリカ合衆国。1988年、『アパートメント・ゼロ』で脚本家デビュー後、数々の有名作品の脚本を手がける。スティーヴン・スピルバーグが自ら監督を手掛けた『ジュラシック・パーク』(93)と『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(97)の脚本を務めて以来、28年ぶりにシリーズにカムバックを果たした。

取材・構成/鴇田 崇

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